中東欧日本語教育ネットワーク会議とは?

中東欧日本語教育ネットワーク会議は、リュブリャナ大学にて開催された過去2回の国際会議・シンポジウムを継承発展させたものです。

2009年に国際交流基金の援助を受けて行われた「南東欧・西バルカン日本語教育研究国際会議」(於スロベニア)では、スロベニア、モンテネグロ、ユーゴスラビアの日本研究機関から参加者を募り、日本研究の現状に関する話し合いが行われました。この会議では、いずれの機関も国内の他の日本研究機関や他国の日本研究機関と連携できず孤立している点、そして各機関が抱える問題は多種多様ではあるものの、日本語教育・日本研究の歩みやその方向性はいずれの機関も類似している点を浮き彫りにしました。

 2012年に行われた「第2回国際シンポジウム」(於スロベニア)では中東欧のハンガリー、ブルガリアからの参加者を迎えました。パネルディスカッションでは各日本語教育機関の問題について話し合われ、教員や学生の交流や創造性を育む場の創出の重要性が再認識されました。

 これを受けて中東欧日本語教育ネットワーク会議では、中東欧およびバルカン半島の日本語教育関係者の継続的な交流確立を目標に掲げ、以下の点について議論をします。

 

①       各国大学の教育現場で共通に抱える問題の再確認。

②       地域間の連携の構築。そして連携を通じての問題解決の道筋立て。

③       教員や学生の人的移動・交流を支える制度確立

 

各日本語教育機関は、経済不況を受けての資金難、教員数不足、ボローニャシステム導入や高等教育制度改革に対する対処、社会との連携など、数々の共通の問題を抱えています。このような問題に対して、日本語教育機関は解決のために何ができるか、また連携して解決できることは何かを議論します。さらにエラスムスをはじめとする各機関間の人的移動を支えるための制度確立についても議論します。

 

 

中東欧日本語教育ネットワーク会議2013

 中東欧日本語教育ネットワーク会議2013(以下会議2013)は、2013年10月末にハンガリー・カーロリ・ガーシュパール・カルビン派大学において開催される予定です。同会議にはさくら中核メンバーを中心に、スロベニア、ブルガリア、ルーマニア、チェコ、ポーランド、セルビア、クロアチア、ハンガリーから日本語教育の専門家が集まり(一部オンライン参加)以下のテーマについて議論を行います。

 

A:日本語教育カリキュラム

B:日本語教員養成

C:日本からの教育実習生の受入

D:日本への留学

E:他国の大学との交流

F:課外活動や国際キャンプの取り組み

G:卒業後の進路(就職)

 

会議ホストとなるカーロリ・ガーシュパール大学では、特に以下の点について会議に大きな期待を寄せています。

 

①   今会議には研究発表会としての意味合いを持たせず、各機関が抱える(共通・独自)問題を解決するために、機関、教員、学生レベルでのネットワークを構築し、ネットワークを通じて課題解決を目指すための実務的な議論を行いたい。

 

②   中東欧日本語教育ネットワーク内だけではなく、例えばさくらネットワークを中心とした中欧/東欧/南欧のネットワークと、日本の大学のネットワークという「ネットワーク同士のつながり」を視野にいれた取り組みについても議論したい。

 

③   中長期的な視点から問題を解決する枠組みとしてのネットワーク構築を行いたい。したがって今ネットワーク会議は、単なるイベントに終わらせず、中東欧・バルカン地域の日本語教育・日本研究の発展を目指したネットワーク構築・維持・発展の起点となることを強く意識したものを目指したい。

中東欧日本語教育ネットワーク会議の将来

 会議2013後も、引き続き情報交換、情報の可視化を進めていきたいと考えています。そして会議2013以降も定期的にネットワーク会議を開催し、建設的な問題解決の道を探る場としたいと思います。

 

会議2013以降の、体制作り(幹事機関・メンバーの決定、会議開催の間隔、中核メンバーによる事務局の持ち回り制などの開催基本モデルの設定)についても会議2013そして会議終了後もさくら中核メンバーを中心に協議していく予定です。